冬虫夏草とは何なのか?
冬虫夏草は茸です。
一般的に、中医学の生薬や、薬膳の素材として知られる「天然物」と呼ばれる冬虫夏草は、チベット等に生息するオオコウモリガの幼虫に寄生して発生するコルディセプス・シネンシスを指します。
一方、日本では、生物学的な分類でバッカクキン科の茸として冬虫夏草属があるために、コルディセプス・シネンシス以外にも500種程度存在すると言われる冬虫夏草属の茸の全般を指して冬虫夏草と呼ばれることが一般的です。
中医学の文化圏では、こうした混同を避けるために、コルディセプス・シネンシスのみを冬虫夏草(冬蟲夏草)と呼び、それ以外を虫草(蟲草)と呼ぶことが一般化しています。
虫によって寄生する菌種が異なりますが、オオコウモリガと同じ蛾の仲間である蚕に寄生するコルディセプス・ミリタリス(サナギタケ・北蟲草・北冬虫夏草)は、乱獲やそれに伴う価格高騰で、天然物のコルディセプス・シネンシスが入手困難となっている現状を背景に、人工培養の冬虫夏草として認知されるようになってきました。
(本サイトでは呼称の区別はせず、全て「冬虫夏草」と表現し、必要に応じて学名や「天然物」などの表現を付記しています)