JAたむらで養蚕説明会を実施
東京発2014年5月26日、同日、株式会社にちはら総合研究所(島根県津和野町)の佐伯潤東京支社長と、津和野町の津和野養蚕・冬虫夏草連絡会の坂田大介研究員が福島県田村市のJAたむら本店を訪問し、管内の養蚕農家に対して、養蚕説明会を実施しました。
この養蚕説明会は、本年度から生繭取引を開始する田村市の養蚕農家に対し、冬虫夏草培養プロセス、冬虫夏草に理想的な蚕蛹の状態などを説明し、冬虫夏草により適した養蚕を実現することを目的としています。従来の養蚕業では、高品質な生糸を得ることを目的とし、その蚕繭の中に居る蚕蛹の健康状態にはあまり配慮がなされないこともありました。そこで、津和野町とにちはら総合研究所は、より培養精度を高めることを目的として、健康な蚕蛹を得るために留意すべき蚕の病気の種類やその対策をまとめテキストとして養蚕農家に配布しました。
今回のJAたむらとの提携は、本年2月に福島原発事故に起因する風評被害等の影響により、田村市内の養蚕農家の生繭買取価格が低迷していることに対する対策として、管内養蚕農家が算出する生繭(蚕種製造用の生繭を除く)の全量をにちはら総合研究所が買い上げるという合意によるものです。
本提携に応じて、にちはら総合研究所はJAたむらと連携して、養蚕農家各戸単位での放射線検査を蚕期ごとに実施。この検査結果を、にちはら総合研究所の「冬虫夏草のロット番号から遡って、原料となる蚕蛹を育てた養蚕農家が特定できるトレーサビティーと組み合わせることで、田村産の蚕で培養された冬虫夏草が安全であることを表現し、風評被害を克服していく(佐伯潤東京支社長)」取組みを展開していく予定。
下森博之津和野町町長も「昨年7月28日に津和野を襲った豪雨による激甚災害の際には、福島から多くの方が復興支援のボランティアとして参加してくださった。今回の生繭取引によって少しでも恩返しとなることを願っている」とコメント。町の組織である、津和野養蚕・冬虫夏草連絡会からの研究員派遣という運びとなりました。
田村市からの生繭の初出荷は6月下旬の予定です。