Step3: 切開
収繭された生繭は、次に中の蛹を取り出すために切開されます。蚕は1本の糸を吐き続けながら繭を作るため、切開された繭は切り繭や繭殻と呼ばれ、ここから生糸を紡ぐことはできません。
にちはら総合研究所は連携企業の協力を得て、全ての繭殻を化粧品原料や、真綿や紡糸として、活用しています。
生繭の中には繭の中で蛹になれず死んでしまった蚕や蛹が入っているものや、軟化病という体が溶ける病気で繭の内部が汚染されているものなどが含まれます。また、玉繭と呼ばれる一つの繭に2頭の蛹が入ったものや、人間と同じで体の大きな蛹もあれば、繭自体が小さなものもあります。
こうした様々な生繭を切開しながら、大切な蛹を繭と一緒に切ってしまうのを防ぎ、病死した蚕が混ざって他の健康な蛹が汚染されたり、繭殻の中に汚い繭が混入したりしないように、切開作業はひとつひとつ丁寧に人の手によって行われます。