Step2: 収繭
蚕は蔟(まぶし)という道具の中に入り込んで繭を作ります。その蔟から繭を取り外して収穫する作業を収繭(しゅうけん)作業と言います。集められた繭の中で蚕はまだ生きていて、この段階の繭のことを「生繭(なままゆ)」と呼びます。
収繭台では、それぞれの農家がどれだけの生繭を生産できたかを計測するという、農家の収入につながる重要な作業が行われます。それだけでなく、繭を作らずに死んでしまった蚕や、繭の中で蚕が死んで汚れた繭などの除去作業や、何粒の生繭で1kgになるかを数えて繭の大きさを調べる作業など、様々な作業が行われます。
絹糸を取る為の繭の場合は、収繭作業の後に熱風をあてて中の蛹が蛾になってしまわないように殺してしまいます。しかし、津和野式冬虫夏草になる蛹は生きていなければなりません。そのため、収繭作業の後、大急ぎで専用のコンテナに詰め替えられ、津和野町へと送り出されます。
蚕が蛹の状態であるのは通常であれば、ほんの一週間。これを少しでも長くする処置をほどこしつつ、培養部員の時間との競争が始まります。